OCD 克服の知識


強迫性障害に関して治すために必要な心がけ

OCD(強迫性障害)は、一般的に、望みもしない陰鬱な考えがしつこくつきまとい(強迫観念)、それが引き金になって儀式的な行動をせずにいられなくなる(強迫行為)心(脳)の病気です。
強迫観念に強迫行為が加わって、たちまち普通の暮らしができなくなってしまうのです。そして、強迫行為の衝動に抵抗していると不安でたまらないのです。

これは、脳内のOCD回路の異常発火によるもので、この繰り返される発火を改善する必要があります。脳内の神経細胞の機能異常とはいっても、脳の神経細胞の連結(シナプス結合)は変えることができるのです。これを脳の可塑性と呼ばれ、実証されています。そうすれば徐々に治っていきます。

OCD回路:前頭眼窩皮質と帯状回前部から出て、尾状核に至るニューロンが異常に活発になり、何かにとらわれ切りかえがつかないしつこい思いを生み出す。

執拗な強迫観念やイメージに一方的に身をさらすしかなく、自分の意志は何の役割も果たせないでいる、こうした症状を治すためには、認知の修正と意志による訓練(イメージトレーニング、催眠暗示)が必要です。
それは、脳卒中で麻痺した部分をリハビリして動かせるようにしていくのと同じ程度の努力が要ります。同じ様に脳神経細胞の新たな連結を形成するのです。もちろん何年もかかる訳ではなく、早くて3カ月長くても6カ月程度の意識的努力が必要になります。

脳の変化を引き起こすうえで、意志的努力が決定的な役割を果たすのです。

継続された意志的努力によって、徐々に強迫観念に抵抗し、強迫観念が引き起こす不安や恐怖を鎮めることを可能としていきます。
脳の間違ったメカニズムで生じる強迫観念に悩まされながらも、どうしても気になる観念から脳の関心の焦点を自分の意志で変えることができるようになります。
OCDで直接苦しむ場合や、ある症状の背景にある場合は、病的な脳の状態によって固定されたり、決定されたりしているのとは違う方向に関心を向けられるように、心理療法によって「心の能力」を強化しなければならないのです。

次に、OCDの様々な症状をまとめてみました。ほとんどの方が、複数の症状に悩んでいます。 症状例を参考になさってください。